国定忠治、清水の次郎長らの侠客と、千葉周作、斎藤弥九郎らの剣豪が、転生して戦うという奇想天外にもほどがある「武蔵野水滸伝」

山田風太郎

山田風太郎の忍法帖シリーズに数えられるらしいが、管理人にはさっぱりそうは思えない変な作品。忍者はまったく出てこないし。

管理人は山田風太郎の代表作だという「魔界転生(まかいてんしょう)」をまだ読んだことがないのですが、どうやらその系統らしいものの、話が突拍子なさすぎる(山田風太郎作品は基本的にまともでないのですが、今作は度を越している)上に、転生の仕方がアレでして、正直、オススメはしない作品。

天保の時代なので1831年から1845年頃で、徳川は第11代家斉(いえなり)、第12代家慶(いえよし)の頃の話。
剣豪 千葉周作が北辰一刀流で、斎藤弥九郎が神道無念流で名を広めている頃、侠客 国定忠治が今の群馬県のあたりに国定忠治帝国を作って、清水の次郎長が清水ってくらいなので今の静岡県あたりに一家を構えてたところに、南無扇子丸(なむせんすまる)というヤバい子(ネーミングがまた…)が現れて、彼らに「僕、転生の技を身につけたんすけど、やりません?」と声をかけるところが始まり。どんな始まり方だよ(笑)。
しかも、忍法らしいのは、その南無扇子丸の転生の技しかないんじゃないかな、この作品は。

で、当然、誰もが「はぁ?」ってなって断られます。そりゃなりますよね。

ただ、そんな中、ある者がその転生をやってしまうところから事態は変わっていきます。
侠客に剣豪が乗り移って、剣豪に剣豪が乗り移ってみたいな、もう書いていて笑けてくるイカれた話が展開されていきます。意味わかりますかね?(笑)
なので、最後のほうは注意して読まないと、誰が誰だかわからなくなります。
しかも、その転生の仕方がアレでして、なかなか管理人には厳しかった…。

まあまあその時代のヒーローが勢ぞろいする感じなので、なんというか、東映まんがまつりというか、アベンジャーズというか、タイトル通り水滸伝というか、そんなノリはあるんですが、いかんせん内容がアレでは…。
また、タイトルに「武蔵野」ってついてますが、まあ、舞台がそのあたりってことなんでしょう。まあまあ武蔵野に近いところに住んでいる管理人ですが、武蔵野感は正直感じられなかった…。

ただ、管理人は、国定忠治とか清水の次郎長は、名前は知っていても詳しくは知らなかったので、そういった侠客について多少理解ができたのは良かったです。
ほぼ主人公な国定忠治の史実に合わせた話作りはしてるので、山田風太郎得意の「こうだったかもよ」空想が絡められてはいます。
実際にあった大戸(今の群馬県我妻町)の関所破りとか。あのあたりはなかなかよかった。

そこ以外は、そうですね、冒頭の説明の通りなのでオススメはしないですが、怖いもの見たさで読んでいただいたら、ぜひ、感想を伺いたいです(笑)。

あ、今回「エロ度」はつけづらかったんですが、なんとなくあんな感じに評価しました。まあなんというか、読んでいただくとわかると思うので、読んでいただいた方に「あぁ…」と思っていただけるかもしれない。されなくてもいいけど。

山田風太郎ってほんと変わってるよなぁ。嫌いじゃないけど。

歴史には浪漫がある。

ノンフィクション度
1.5
奇想天外度
5
サムライ度
2
忍者度
0.5
エロ度
3.5
管理人満足度
1.5
にほんブログ村 歴史ブログへ