こんにちは。
非常事態宣言が解除されたものの、未だワクチンがない中では、なかなか外出する気にはならず、STAY HOMEもテレワークも継続中の管理人です。
なんとなく、世の中的には、感染に対しての危機感の度合いが下がってきてる気配がありますが、未だワクチンが無い以上、その度合いは変わってないと思うので、テレワークできるなら継続すればいいと思うのに、生産力が下がっているだろうという雰囲気だけで、止める気配が高まっているのはなんなんだかなぁと思っている管理人です。下がってる気しないんだけど。
まあ、それもこれも、全て解決するのは、以前の日常を取り戻すことで、そのためには、やっぱりワクチンが出来ないとなぁ、と思えるので早くワクチンができるとよいなと切に願っております。
さて、そんな中、また、一冊読了しました。今回は、久しぶりの司馬遼太郎先生の作品で「義経」です。司馬遼太郎先生の作品は昨夏に読んだ「峠」以来か。
このところの「戦国、幕末以外を読みたい」の流れで見つけた作品なんですが、実は本作を読んでる途中で、一つ前の投稿になるんですが、谷津矢車さんの「桔梗の旗」に浮気してしまいまして、その投稿で「先に読んでた作品があるんですが…」と言ってたのが本作です。
途中で他作品に浮気しちゃうくらいだから、本作はイマイチか?というと、そんなことはなく面白かったです。
ただ、このところ、ちょっとカジュアルな文体の作品が多かったので、久しぶりに司馬遼太郎作品を読んだら、やっぱりちょっと難しいのと、前半は義経よりもむしろ他の人にフォーカスしたくだりが多く、後半の怒涛の展開前のバックグラウンド解説としては必要なんですが、そのあたりがちょっとわからず、ややモチベーションが上がっていなかったタイミングに「桔梗の旗」を見つけてしまった、というのはありました。まあ、そんな時もあります。
さて、本作「義経」ですが、主人公は、タイトルそのままの源義経(みなもとのよしつね)です。管理人、源義経については、学生の頃、日本史の授業などで習ったのかもしれないですが、もうすっかり忘れていて、活躍した時期も、何をやったかも、おぼろげだったので、本作では、読みながらその辺りの記憶を呼び戻すことができてよかったです。
本作では、義経の幼少期から、一応、最期までが描かれます。「一応」としたのは、読んで確認してください。「あーなるほどね」と思ってもらえるような気がします。管理人としては「あれ、最後、それ?」感がちょっとありました。できれば、最後、もう少し描いて欲しかったなぁ。
まず、作品の時代位置ですが、義経が生きた時代ということになるので、西暦でいくと1100年代後半、つまり、12世紀の後半で、織田信長が桶狭間で今川義元を倒して一躍世に躍り出たのが1560年ですから、それの400年くらい前。なので、今から450年くらい前が桶狭間だから、そこから同じくらい前と考えると、我々にとっての織田信長が、織田信長にとっては源義経って感じなので、だいぶ前だな、おい。
そこの400年と、今の400年を比べると、今の400年の進歩が凄まじい気がするんだけど、実際はどうなのかなぁ、本作を読む限り、確かに戦国時代とは戦の仕方なんかは違っていたけど、戦国時代と今ほどの違いはなかったと思うんだよなぁ。今の400年てすごいなぁ。
脱線しました。話をもとに戻します。
時代位置はそんな感じで、日本史的にはどうかというと、義経にはお兄ちゃんがいまして、そのお兄ちゃんが、鎌倉幕府を開いた源頼朝(みなもとのよりとも)なので、そうです、平安時代の終わり頃がこの作品の時代位置で、この後、鎌倉時代、室町時代を経て、安土桃山時代、江戸時代と進んでいきます。なので、結構古いんだなぁ、義経が活躍した時代というのは。
本作では、そんな時代を背景に、源義経の生涯が描かれるんですが、また、例によってネタバレしないようにざっくりレビューすると、前述の通り、前半はちょっと静かに進みまして、後半は超絶怒涛の展開になります。文庫本の上下巻構成になるんですが、まさに上巻と下巻でそんな感じに分かれます。
で、静かな前半なんですが、これは有名な「牛若(丸)」の時代なんですが、その牛若(丸)、ちょっと訳あって表舞台から外れてしまうのですよね。まあ、それまでも大して表舞台には出てないけれども。
ただ、世の中はぐりんぐりんに動いてまして、そういった世の中の情勢からの怒涛の後半なので、前半のそれはやっぱり大事なわけです。お兄ちゃん頼朝も、もはや主人公ばりに露出してきます。というか、前半はだいぶお兄ちゃんの出番です。
後半に入り、義経は、あることをきっかけに、表舞台に登場するわけですが、そこから、本作最大のハイライトになると思われる、有名なあの「壇ノ浦の戦い」までは、もう超絶怒涛の展開でして、はぁ、めっちゃ面白かった…。一挙に読み終えました。
ざっくりそんな感じの内容なんですが、当然ながら、義経絡みで有名な人物も多数出てきまして「なすの与一」も義経絡みなんですね、本作で認識を新たにできました。しかも、栃木県の「那須」の「なす」ってことも。
そういえば、本作で知りましたが、義経の人生に於いては、東北地方のほうはかなり重要なんですね。昔から「奥」と呼ばれているだけあって、この時代でもあまり手を入れないところとされている地域のようですが、その実情は…という様子で描かれていたので、新しい発見でした。しかしだとすると、義経にちなんだ史跡とかあるのかしら?伊達政宗もいいけど、義経絡みの史跡もあるようなら、東北にいった際には是非立ち寄りたいなぁと思いました。
またちょっと話が逸れてしまいましたが、あとは、やっぱり、源氏と平家の争いの部分でしょう。
「源平」っていう名称は歴史の話になると必ず出てきて、家柄が源氏に関わるかどうか、というのは、その後、連綿と取り沙汰されていくじゃないですか。やれ、自分は何某源氏の血脈でどうこう、とか。
これまで、薄らぼんやりとしかわかってなかったそのあたりの理由が本作で多少わかり、多少じゃ我慢ならなくて、いつものように読了後、あれこれ調べることで、だいぶ理解が進みました。
「源平」と言っても「源氏」と「平家」の争いで、「平家」が「平氏」でないところがだいぶミソなこととか。文武両道なんて言葉がありますが、平家は文、源氏は武の素養に長けるとか。あとは、紅白の由来が源平にあるというのは知ってたんですが、なんとなく勝手なイメージで「源氏」が赤、「平家」が白かと思っていたら逆だった…とか。
「平家」が「平氏」でない件なんかは、非常になるほど感があって面白かった。ああ、あと、調べるついでに「院」についても学びましたね。このあたり、今後は、より理解を深めてこういう作品を読んだら、もっと楽しいんだろうなぁ。
その他にもいろいろとあるんですが、まあ、そういった知見を得たことで、ますます歴史への興味が深まったなぁと思ってます。
で、この投稿のタイトルに書いたので、チラッとだけ義経の人物評をすると、まあ何というかなぁ、薄幸のアイドルというか、出自は悪くないのに割と苦労してて(まあでも、その出自の影響でいい思いをした感じもあるけれど)、戦は超天才的なんだけどそれ以外は割とバカっていうか純粋というか素直というか、みたいな。ガンダムでいうと、勉強しなかったシャア・アズナブル?みたいな(なんじゃそら)なんかそんなイメージになりました。可哀想でもあるのですよね。でも、華があるから、こう後世に語り継がれることになったのでしょうねぇ。
その義経と関わる他の人物達もまた一癖も二癖もある人達ばかりで、しかも、時代がそうなのでしょうね、なかなかに酷い世の中で、本作だけで見ると、あの時代に生きてなくてよかったなぁと思えます。自分の前世がどうだったか知らないですが。
時間が経つときっと忘れてしまうと思いますが、義朝(よしとも)だ、頼朝(よりとも)だ、範頼(のりより)だ、というような、源氏、平氏の系図の複雑さも、これを読んでいるときはある程度理解できてよかったです。
とまあ、そういう感じで、途中、「桔梗の旗」に浮気してしまったものの、全体を通せば非常に面白く、浮気してごめんなさい、というくらい面白かったです。
あ、浮気と言えば、言い忘れていましたが、源氏の人達は非常に好色だったらしく、義経も頼朝も例に漏れずそういう感じなので、司馬遼太郎作品にしては、割とエロ度が高い気がします。なので、よい子の皆にはどうかなぁ。中学生くらいからにおススメするのがよろしいかと。ホント、皆、呆れるくらい好色です。
そんな話はさておき、そういえば、義経の話って、割と最近、NHK大河ドラマでやってたなぁと思って、ググってみたら、現ジャニーズ社長のタッキーこと滝沢くんが2005年に主演で義経役でやってましたね。管理人見てなかったのですが。
あ、原作は司馬遼太郎先生じゃないんだ。宮尾登美子さんか、知らないのだれども、今後読んでみるか。
で、キャスト見たら…、ぬぉぉぉ、白拍子が石原さとみちゃん!?その他もなかなか…。
観たくなりました。相変わらず凄いキャストだなぁ…。
これ、観ないわけにはいかないなぁ…。
ということで、今回もダラダラと愚にもつかないレビューになりましたが、源頼朝が鎌倉幕府を開く際に、超絶に大活躍をしたわりに、その後、非業の運命をたどることになる、平安時代末期に現れた悲しい英雄(ヒーロー)源義経の活躍を描いた本作、是非、読んでみてください。面白いですよぉ。
歴史には浪漫がある。
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